Fリーグ・ディビジョン1の2019-20シーズンは、名古屋オーシャンズの優勝で幕を閉じた。プレーオフ決勝第2戦で先制点を含む2ゴールの活躍を見せた元ブラジル代表FPラファは、試合後のミックスゾーンで30分以上にわたる取材に応じてくれた。
そのなかでは、魔法のようなタッチから決めた2点目のゴール、Fリーグで最も対戦するのがイヤなフィクソ(意外にも日本代表未選出の選手)の話、(このあとFutsal Media Noteで公開)の話など、様々な話をしてくれたが、印象に残ったのが、Fリーグや名古屋オーシャンズが、まだ世界では過小評価されているという彼の考えだ。
ラファは今シーズン終了後、スペインの強豪クラブへ移籍するのではないかという噂がスペインではあがっている。この噂が本当か、嘘かは別にして、彼のような超一流選手が日本で見られなくなるのは寂しい限りだ。
この話題については「いつかはスペインリーグでやりたい気持ちはあります。いろいろな噂はあると思いますが、それについてはクラブに聞いてください」とかわしたラファだが、その後、「いつかはスペインでやりたいという思いがありますが、日本でプレーしていることで、私のパフォーマンスが落ちたかといえば、そういうことは一切ないでしょう」と言い、Fリーグのレベルの高さを熱弁した。
「名古屋だけではなく、大阪もリーグ制覇を経験しました。大阪だけではなく、今回、決勝で対戦した大分も非常に強いチームで、優勝を狙えるレベルだと思います。来日する前、周囲から『ラファなら、楽勝だよ』と言われましたが、私が思っていた以上にも、日本のリーグは難しいリーグでした。組織も素晴らしいですし、その点では、世界でも最高峰でしょう。もっともっと、このリーグを知ってほしいと思います」
そのFリーグで3連覇を果たし、13シーズンで通算12度目のリーグタイトルを獲得している名古屋についても、「世界は間違ったイメージを持っているんです」と、ラファは指摘した。
「AFCフットサルクラブ選手権で優勝していますが、海外の人たちには、名古屋オーシャンズの情報が正しく伝わっていません。どこかでナメられているところがあると思います。しかし、私もこのリーグ、名古屋オーシャンズにかかわった一員として、一度、インターコンチネンタルカップに出てほしい。開催時期の関係などで、これまで出場することができていませんが、まだ『しょせん日本のチームだろう』というイメージは持たれていると思うので、世界に名古屋オーシャンズの本当の力を示して、もっと日本のフットサル、名古屋オーシャンズをアピールしてほしいですね」
「名古屋がインターコンチネンタルカップを戦えば、日本のフットサルの価値が変わると思います。AFCフットサルクラブ選手権では、(レギュレーションの関係で)外国籍選手1人で戦いますが、本当のオーシャンズの真の力とは言えません。インターコンチネンタルカップには、チョンブリなども出ていますが、AFCフットサルクラブ選手権を外国籍選手1人で勝つ名古屋が、フルメンバーでインターコンチネンタルカップに出れば、今、出場しているアジアのクラブよりも、名古屋オーシャンズが高いレベルにあることを証明できると思うんです。『チョンブリやアジアのクラブのイメージは、このくらい。でも、名古屋オーシャンズはもう一つ上のレベルなんだ』と世界が気付くでしょう。日本フットサルの宣伝になりますし、他のアジアのクラブが参戦するイメージで、この組織力、チームで、この環境でやれるということがまだ発信できていないでしょう。インテルと比べても、このレベルの設備ではないでしょう」
ファンによるSNSでの動画配信が認められるようなり、Fリーグの映像が世界へ発信される機会は一気に増えた。だが、名古屋がインターコンチネンタルカップで欧州や南米のクラブと対戦することができれば、より明確に日本の“絶対王者”の強さを示せるのは間違いない。
今年もタイのバンコクアリーナで開催予定のインターコンチネンタルカップ。名古屋の出場は、Fリーグや日本フットサル界にとっても良いニュースになるはずだ。
発信元:FUTSAL X