2013-14シーズンのFリーグ・プレーオフ決勝で、バサジィ大分は名古屋オーシャンズと対戦した。第1戦を7-6で競り合った彼らは、第2戦で0-7と大敗し、リーグタイトルを逃した。
あれから6年が経ち、大分は再び決勝の舞台に戻った。
6年前のプレーオフ決勝で大分は、いかに名古屋との連戦で連勝することが難しいかを痛感させられた。特に2戦目を迎えた時のフィジカルコンディションの差は歴然だった。
それを踏まえ、今季の大分はシーズン中も、プレーオフでも3セットで戦った。プレーオフ第2戦を前に、名古屋のFP吉川智貴が「疲労の蓄積は相手のほうが少ない」と言うほど、大分は計算して戦った。
しかし、第1戦を2-2で引き分けた大分だが、第2戦では再び1-7という大差で敗れることとなった。
FP森洸は「1戦目と全く同じ試合ができれば、間違いなくチャンスはあると思っていました。昨日、守備からしっかり入って、できるだけ点差があかない状況をつくり続ければ、チャンスは転がりこんでくると思って、今日は試合に入りました」と、振り返る。
今季のリーグ戦を最少失点で終えた大分だったが、失点を重ねるなかで、徐々に攻めなければならないという焦りが出始めた。「3点目、4点目で『もう、ちょっと厳しいな』というか、ゴールを奪いにいかないといけない状況になっていたので。自分たちのプラン通りには試合が進められなくなっていましたね」と、森は言う。
リーグ屈指の堅守を誇った大分だが、攻撃面ではシンプルにピヴォへロングボールを送り、そこからは個人の能力でどうにかするという戦い方がメインだった。『とにかく失点をしない』。その戦略を完遂できなかった時、大分には名古屋の守備を崩しにかかる次の手がなかった。
「僕らは勝つための試合を常にしていて、フットサルの技術というか、名古屋がやっている戦術的なところは、まだ持ち合わすことができていないと思います。そこを身に着けるか、もしくは、今のやり方で突き抜けるまでやっていくか。そのどちらかだと思います。それは僕らが決めることではありませんし、監督が求めることをピッチで体現することがすべてだと思っているので。とことん突き詰めるか、新しいことにチャレンジするのか」(森)
今季の戦い方を徹底していき、名古屋の攻撃力を封じ込めるだけの守備力を付けるのか。それとも、攻撃面での上積みを求めていくのか。
日本一を争う舞台にたどり着いたことで、次なる課題に直面することとなった大分。果たして彼らは、どちらの方向に舵を切ることになるのだろうか。
発信元:FUTSAL X